展示記録:パープルタウンでパープリスムに参加しました

2018年11月17日~12月1日、パープルタウンでパープリスムというグループ展(?)に参加した。

詳細:http://www.parplume.jp/tennji/tokusetu201811.html

パープルームという梅津庸一さん主宰の美術団体(?)の企画の展示で、総勢20人くらいの作家が参加した。

 

展示全体についてはまた別にして、本記事では私の作品について書く。

 

まず、作品の元なったエピソードについて。

 

去年の夏、大阪で一人の男の子と出会った。

よくある軽い出会いだったが、気が合って私にとって彼への気持ちは恋愛感情に近いものになってしまっていた。

後日彼の住む京都まで行って、めちゃくちゃ楽しい時間を過ごし、あ、これ恋じゃん、と思った。

ただしここからが私の悪い癖で、LINEアタック(相手の気持ちを考えずにメッセージ送りまくること)をかましてしまい、いつものブロックをくらってしまった。

知らないひともいると思うので書くが、私はそれまでにも二回同じようなパターンでブロックかまされていたのだ。

それでもめげない強い女なのと、ちょうどこの展示に誘われていたので取材を兼ねて京都に一人で行った。

一人で、その男の子と二人で行ったお店や道をたどり、フィルム写真で記録していった。

返ってこないであろうFacebookのメッセージに望みを託していたが、やはり返ってこず帰りのバスで一人声を我慢して号泣したのを覚えている。

 

具体的な作品はどうしたか?

制作行程はいたってシンプルだ。

ブロックされてからのLINEアタックを布にプリントして板に掛け、


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写真を壁にはり、以下のポエムを壁に貼り、

夏に大阪で出会った人。
大阪と京都で一緒の時間を過ごした。


もう会えなくなってしまった人。


二人で歩いたところを一人で歩く。
二人で食べたものを一人で食べる。


届かないメッセージを川に流した。


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その奥にその男の子がモチーフのコラージュ作品を鏡に盛り付け、

LINEアタックをプリントアウトしたものをボトルメールにして会場近くの相模川に流す映像作品をBGM荒井祐実の航海日誌にしてプロジェクターで投影した。

あと、横の机に一緒に飲んだテキーラとショットグラス、タバコと灰皿を置いた。

偶然にもパープルームのこの文章がプリントアウトされたものが張ってあった。


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いなくなった人を追い求めている作品なのだが、偶然にもこの会場の住人(展示はパープルーム予備校生の実際の住居で行われた)が失踪したり、同じ部屋で展示されていた他の作家も、いなくなった人をモデルに絵をかいていて、展示空間の喪失感や場の持つ圧力が不穏なものになっていた。

 

私の作品にたいしては、つらい、こわい、危ないなどさまざまな意見を見たが、実は作っている時はいたって冷静だ。

自分の中に、ヤバイことをしてしまうしそれをダイレクトに作品にしたいという人格と、醒めた目で観察している人格二つが同居している。

さらにそれは、アーティストとして生きること以前の考え方でもある。

 

私が今後このような作品を作れるか、作ろうと思うか、それはわからないし直近の作品はプライベートを見せるという"ヤバさ"は無いものだったけれど、常に自分の作りたいものを表現していきたいなと思う。当たり前のことだが。クリアに、厳しく、やっていく。

展示記録:金藤みなみのじゃじゃ馬らなしに参加しました

 

2019/5/1-8に、アーティストの金藤みなみさんのグループ展に参加した。

シェイクスピアの劇、じゃじゃ馬ならしをテーマにしたグループ展だ。

詳細は金藤さんのステイトメントから以下のようになっている。

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本展覧会は、シェイクスピアの喜劇「じゃじゃ馬ならし」をモチーフとした「金藤みなみのじゃじゃ馬ならし」の小説・関連映像作品を中心とした展示です。企画の金藤は本展覧会について以下のように記しています。
じゃじゃ馬ならしが有名である理由に、英国演劇史のみならず多くの劇に影響を与えた点と、ミソジニー的解釈によって多くの議論を巻き起こした点が挙げられるでしょう。昨今、ジェンダーイコールを中心とした様々な議論が活発化しています。私は私なりに、ジェンダーへの問いを投げかけたいと思います。厚みのある議論の展開の1つとして、本作品群の展開を楽しんでいただけましたらと思います。」

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シェイクスピアの戯曲を読むのははじめてだったが、かなり読みやすく、現代からするとジェンダー的な問題はあるものの、男女の激しい愛のことばの掛け合いがおもしろく、もし、百年後までこの戯曲が読まれるとしたら、ジェンダーの視点からではなく恋愛の面白さの視点で注目されるのではないかという考えから作品を作った。


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↑私の作品画像 タイトル:未来の恋人たち

 

縦長のディスプレイに、劇中の夫婦(になる予定の)二人のやり取りをLINEで再現したものを、それぞれ男はさだまさしの関白宣言、女は西野カナのトリセツをBGMにして流した。

未来の恋人というのは、シェイクスピアの時代から見た未来でもあるし、我々から見た未来に、人間が存在せず機械だけが生き延びた世界のことかもしれないという意味を込めた。

また、じゃじゃ馬ならしは戯曲であることから、LINEのメッセージを打つという行為が、役者が台詞を発する行為の再現にもなっている。

 

この作品は、金藤の、ジェンダーへの問いかけ、というステイトメントへの応答になっているのか?という疑問があるかもしれない。

しかし、私はジェンダーへの問いかけ、とはなにか?というところから考えたいと思っている。

女は、男は、こうあるべきというようなステレオタイプへの批判へは同意するが、恋愛とは個人と個人の関係性でなりたっている。

じゃじゃ馬ならしのように、征服する男、される女、という関係で成り立つカップルもいる。(もちろん、そういうものを批判してフェミニズムが成り立ち、現在の女性の地位向上に繋がっているということは知っているが。)

さらに考えると、征服されることで逆に男を征服するという、女の強かな生き方も特に日本では支持されていると思う。(これに関してはトリセツへの柴田英里さんの記事が面白かった https://mess-y.com/archives/23387)

そういったことから考えると、単にステレオタイプ批判だけではなく、個々人の性質も考慮した上で批判は行われるべきだと思っている。もっとフェミニズムの勉強が必要ってことも思い知らされてはいますが。

 

なんかまとまらなくなっちゃったな。

とりあえず、以上作品や考えの紹介でした。

 

このテーマの展示に金藤さんが誘ってくれたことと、太陽さんに、エキソニモより良い作品って言われたのが嬉しかった。

あと、動画編集と設営でちょっとてこずったので経験値とスキルをあげていきたい。

 

次決まってるのは11月の展示予定だけど、その前にwebで作品作ろうと企ててるから皆さんチェックしてくださいね。

 

では🌜

デジタル絵

最近は、絵の具から離れて、デジタルで絵を描いている。ペンタブ買ったけどPCが壊れて使えないから専らスマホのお絵かきアプリを使ってる。

絵の具より簡単だろ、と思ってたけど指で描くのめちゃ難しい。ペンの設定も限られてるなかで、どうやってニュアンスを出すかまだまだ練習が必要。
スマホ用にスタイラスペン(?)買えばいいのかなー、と思うけどまだ迷い中。スマホで絵描いてる人普通にすごい。

デジタルで絵描いてるのにはあんまり美術と関係無い理由があって、三百枚くらい描いたら専用のウェブサイト作って、色とかアプリとかサイズとかで検索できる用にして、転職用のポートフォリオに追加しようと目論んでる。勉強することが山積みだ。
個展でも展示したいけど。
個展と転職活動同時に進めるのが大丈夫なのか不安だ。

今のところ質より量になってるから、instaに上げるやつはましなやつ選んでる。

個展は絵中心にはならないけど、やっぱ絵描くの楽しいな。1日十枚は描きたい。楽しいからって良いものができる訳てはないってわかってるけど。

制作状況、そんな感じです。

10月個展に向けて

10月16日から21日まで、個展することが決まっている。

貸し画廊だけど、雰囲気と広さが好きで展示場所を決めた。
思えば、個展は貸し画廊以外でしたことがないけど、あんまり気にしてなくて、自分のペースでやっていけたらいいと思っている。

昔はグループ展誘われてる人に嫉妬してたけど、(誘われない(ほんとは誘われたい気持ちもある)けど)、周りの人たちのグループ展、あんまりうまくいってないものが多くて、だったら年一回くらいで個展やっていけたらいい、っていうスタンスになってきた。

今回の展示タイトルは決まっていて、作品はまだできてないけど会場構成の案も浮かんできている。
前回野方の空白で展示をしたときのように、プライベートを美術として表現することになりそう。
映像インスタレーションの作品案は決まっているけど、撮影に行くタイミングがなくてまだ手をつけられてない。

他に、最近始めたデジタルのドローイングも展示する予定。

人間の生、性に向き合い、他者と生きること、体を触れあわすことはなんなのかを問う展示にする。
ここ二年くらい色々あったおかげで、作りたいものが明確になってきていつも、制作のことを考えてる。

良いものにしたい。

とりあえずPCが壊れて何もできないから、genius barに行きます。

おやすみなさい。